ついに二の腕のその先へ!?『結婚するって、本当ですか 9』レビュー

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気が付いたら発売してたので電子版を購入。

結婚するって、本当ですか(9) 365 Days To The Wedding (ビッグ コミックス)

『結婚するって、本当ですか』とは、『神のみぞ知るセカイ』でお馴染みの若木民喜先生が青年誌・ビッグコミックスピリッツで描く本格的結婚ラブコメディ漫画である。

本作品は、過激な内容を含む漫画が多く掲載されている『スピリッツ』の中でも優しい描写が多く、著者が過去に描いた作品たちと同じ少年漫画に近いタッチの漫画となっている。「結婚」をテーマとしてはいるが、若木先生らしい丸くて可愛いデフォルメされたキャラクターデザインは健在なため、ある程度成長したお子さまに読ませても安心な作品となっている。

そんな安心ラインをは助走をつけて飛び越えてきた。
それこそ9巻1番の見どころである「初夜」のエピソードだ。

初夜を描いた漫画といっても、掲載誌が青年誌ならそこまで珍しいものではない。作品によってはもっと過激なものもあれば、グロテスクな表現のものもあるだろう。
しかし、若木先生は読者の予想の斜めを突く。
そもそも場所が予想外であり、よくある家とかベットがどうこうとかではなく、木々や田園が広がる田舎道に停車した軽トラの荷台で事が繰り広げられる。ただし、「青年誌」らしい場面はブルーシートによって遮られており、残念ながら刺激的な直接的描写があるわけではない。しかしながら、荷台から投げ出される衣服や暗闇で揺れる軽トラなどの描写により、ブルーシート越しで何が行われているのかは十分に判断できてしまう。しかも、一連のシーンに1話分丸々使われている。青年漫画な割に硬派な漫画であった『結婚するって、本当ですか 』にしてはぶっ飛んだ展開だといえるだろう。

しかし、ぶっ飛んだ展開であったとしても、そこまで下品さを感じることもないし、笑ってバカにするようなこともない。何よりそのぶっ飛び加減がコミカルな作風と可愛い画風にマッチしているし、8巻で起きたトラブルによって離れた距離が再び近づいたことを示すドラマチックさもある。何よりも、これまで「二の腕」に触れるまでに止まっていた2人がやっとのこと1つになったのだ。これまで追いかけてきた読書ならばその感動はひとしおの事だ。
これまで青年漫画はそれなりに読んできた方であったが、ここまで高度で芸術性の高い濡れ場の漫画は今までなかった。
これが後に起こる妊娠・出産イベントに繋がっていくのか?そんな今後の展開にも期待していきたい。

今作の面白さはコミカルな濡れ場だけではない。不器用な夫婦に起きるドタバタは勿論、タクヤと父・耕一の和解もあるし、リカと関係の深い「あの人物」の登場もある。

シリーズを追いかけてきた人も、9巻から読む人も、広く楽しめる1冊となっている。皆さま、宜しければ是非ご覧下さい。

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