未読者必見『坊っちゃんマウンティング講座』

コラム
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こちらは一六本舗さんの銘菓・坊っちゃん団子マドンナ団子だ。

一六本舗さんは愛媛県松山市にある老舗製菓企業で、そのパッケージイラストに描かれているのは、文豪・夏目漱石の著書『坊っちゃん』だ。こちらも愛媛県松山市を舞台とした作品であり、一六さんと同様に、長年に渡り地元民から親しまれ続けている。

株式会社一六(一六本舗) | 一六タルト 名菓 お土産 | 愛媛県 松山市
四国愛媛県松山市に本社のある株式会社一六(一六本舗)は、四国名菓一六タルトをはじめ、こだわりを持った...

そんな『坊っちゃん』が松山市にもたらした影響は凄まじく、もはや地元で知らぬ者は居ないレベルのビッグコンテンツとなっている。そこまでの知名度を得られたのは、他でもなく一六さんを始めとした県内企業の販売戦略、あるいは、劇場や野球場、または市内走る路面電車など市内公共施設のお陰だと言える。地域振興や販売促進のツールとして長く擦り続けるほどに『坊っちゃん』は注目されているのである。

ここで1つ疑問が浮かぶ。
そんな小説『坊っちゃん』の中身を知っている人は果たしてどれくらい居るのだろうか?

実際、僕はつい最近まで読んだことがなかったし、ストーリーなんて聞きかじった程度でしか知らない。キャラクターに至っては「マドンナ」や「赤シャツ」などのあだ名は聞いたことがあっても、性格や立ち位置といった情報は全く知らない。その程度の浅すぎる知識だった。恐らく、かつての僕の様に勘違いをしている人が多い事だろう。

そんな『坊っちゃん』未読者の抱えるであろう疑問や勘違いを『坊っちゃん』読了済みの僕が明らかにするのが今回の企画となる。

この記事を読めばあなたは『坊っちゃん』を知らない隣人に対してマウントを取ることが出来るだろう。 (尚、実用性は皆無である)

Q1.「坊っちゃんが愛媛に赴任してすぐに地元へ帰る話でしょ?」

A.間違いではなく正解とも言い難いが、実際にそう

ざっくりとしたあらすじ

物理学校(現在の東京理科大学)を卒業後、四国の中学校へ数学教師として赴任
 ↓
赴任先の先生や生徒がかなり陰湿でなんやかんや起こる
 ↓
なんやかんやあった末に学校を退職して東京に戻る

大筋を見る限り間違いではない。間違いではないが、
物語の最も面白く肝心な部分である「赴任先でのなんやかんや」が抜けている。

この作品は社会における人間関係をテーマとして扱っており、正義感の強い坊っちゃんが陰湿で癖の強い先生たちに立ち向かっていく「勧善懲悪」を描いた物語である。特に人間関係のところがとても生々しく、教頭である赤シャツがとにかく陰湿な「悪」として描かれている。時には物腰柔らかい物言いで坊っちゃんを騙し、またある時には坊っちゃんたちをトラブルに陥れたりする。さらには立場を利用して同僚を転勤させ、その同僚の婚約者を寝取ったりもやってのける。
そんな感じで割と現代にも通じる出来事が「赴任先のなんやかんや」に含まれているのである。

まあ、結果的にすぐ東京に帰ってしまうのは変わりない。

Q2.「どれくらい松山市要素があるの?」

A.物語の8割以上が松山市

冒頭の幼少期と物理学校卒業、そして最後東京へ戻ってからのエピソードが1割強で、残りのエピソード全てが松山の物語となっている。

しかし、物語の時間は半年も経っておらず(大体2ヶ月くらい)、時系列的には松山に居た時間は短いと思われる。

Q3.「坊っちゃんとヒロイン・マドンナとどう絡むの?」

A.ほとんど絡みは無いし、そもそもヒロインではない

「マドンナ」というキャラ名は聞いたことがあるけど一体どんな人物なのか。これは僕も読む前から思っていた。

結論からいうと同僚・うらなりの婚約者として登場し、赤シャツに寝取られるキャラクターとなっている。そしてその間坊っちゃんとの絡みはなく、想像していたヒロイン要素は皆無である。

では本作のヒロインは誰なのか?それは「清」という坊っちゃんの下女となるお婆ちゃんだと僕は思う。
坊っちゃんの独白でも度々語られており、冒頭にしか物語に登場しないものの、扱いとしてはマドンナよりも遥かに優遇されている。東京に住む清のことをことあるごとに思い出しており、その扱いは故郷に置いてきた奥さんや恋人と同レベルに読み取れる。

また、読む人によっては同僚の「山嵐」がヒロインと思うかもしれないが、カップリングについて詳しくないのでこれ以上は語らない。

Q4.「汽車や団子に坊っちゃんの名前が使われてるけど、どんな関係があるの?」

A.それはもうガッツリ物語に出てくる

汽車に関しては坊っちゃんが外出する際に度々登場する。大体が温泉へ行く時の交通手段となっている。

団子に関しては、坊っちゃんが温泉へ行った帰りに団子を食べた後日、教室の黒板に「団子二皿七銭」と落書きされていた、というエピソードがある。

汽車ほど登場はしてないものの、坊っちゃんと生徒たちとの関係性を示すエピソードの1つとして取り上げられており、天麩羅蕎麦と同様に読者の印象に強く残っていることだろう。

このエピソードに着想を得て「坊っちゃんだんご」を販売するに至った、のかもしれない。

まとめ

今回の「坊っちゃんマウンティング講座」主に僕が感じていた未読時の坊っちゃんに対する印象を元に解説させていただいた。

中でもマドンナに対する疑問を感じている人は割と多いのでは無いだろうか?
僕自身1度しか読んでおらず、読み込みが浅いく不十分な考察と思われるかもしれないが、あくまでも未読者向けのライトな解説としてご理解頂ければと思う。

『坊っちゃん』に興味を持たれた方はKindleなら無料で読むことが出来るので、よろしければどうぞ。

以上、お疲れさまでした。

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