お疲れ様です卍
先日の記事で少し触れていた本が読み終わったので、予告していた通り感想を記事にまとめる。
皆さん、あなたのお母さんがあなたに話してくれた言葉を覚えているだろうか?
その中でも特に1番記憶に残っている言葉はあるだろうか?
その言葉が人によっては「心の支え」や「人生の指標」、あるいは「呪いの言葉」などになっているかもしれない。
斯く言う僕も、母から言われた言葉の中で印象深いものが1つある。
「最後に頼りになるのは自分だけ」という言葉だ。
この言葉の前後にも色々話していたが、本とあまり関係無いのでこれ以上は語らない。
著者の母である『たつみさん』は、息子に向けてこんな言葉を投げかけた。
「喜ばれる人になりなさい」
この言葉は著者の永松さん自身の指標のような言葉になり、昨年2021年の年間ベストセラー1位にもなった名著「人は話し方が9割」を生み出すために大きな影響を与えた。
この本は永松さん自身の幼少期から現在に至るまで実像を記した自伝のような作りになっている。
今の永松さんを構成する母・たつみさんの言葉と、家庭内で起きた様ざまな出来事、そして名著「人は話し方が9割」がベストセラーになるまでの軌跡が描かれた一冊である。
そんなこの一冊の中でも特に印象深かった永松さん・母の言葉とエピソードを3つ、そして永松さん・父の言葉を1つを簡単に紹介していく。
詳しくは↓の著者である永松茂久さんの公式ホームページへ
永松さんの母『たつみさん』とは?
言葉を紹介する前に、先には永松さんのお母さんについて簡単に紹介させてもらう。
永松家は大分県中津市という町の商店街に暮らしており、長男の著者である茂久さん、次男の幸士さんを生み育てたのが母『たつみさん』である。
自宅の1階にギフトショップ「夢工房」というお店があり、たつみさん自身が経営している。
人に喜ばれることが大好きなたつみさんは夢工房の仕事が楽しくてたまらなかった。
人を幸せに出来る事を何よりの幸福だと考える人であり、綺麗にラッピングした商品を受け取ったお客様の顔を見るのが大好きなのだそうだ。
子どもに対しては厳しい面もあるが、誰よりも子どもたちを信頼し、家族を大事に思っている。
発言もスパッとしており、気持ちのいい性格のお母さんである。
「あんたはまだ人の気持ちがわかってないね」
永松さんが中学生のころ、行き違いから家を締め出されてしまい、家族に連絡取るために近所の食堂に電話を借りに行った。
そして、その日自分が食べたステーキが如何に美味しかったかを食堂のおじさんに語ったそうだ。
その話を聞いたたつみさんが永松さんに向けて言った。
「あんたはまだ人の気持ちがわかってないね。もっと相手の立場や気持ちをわかる人にならなきゃね」
同じ飲食店をしている人がその話を聞いてどう思ったか。子どもが言うことではあるが、悔しくもあり、少し腹立たしかったのかもしれないと僕は思う。
一見して単純なことだが、多くの人と交わる社会の中で生きるためには重要な考えである。改めて考えさせられた言葉であった。
「あんたはまだまだ小物だねえ」
このあと更に「器が小さい」という一言が添えられることで、この言葉は完成形となる。
男として言われるとイラッとくる言葉だったため、この本を読み終わった後もずっと頭に残ってた。
大人となり、たこ焼きやを創業する永松さんは実業家である父親と連日言い合いをしていた。
父と子、板ばさみになった母・たつみさんが息子である永松さんをたしなめる時に言ったのが
「あんたはまだまだ小物だねえ」
という言葉である。
この言葉は、父の手を借りず自分の商売をしたい永松さんのプライドを折るには十分な一言であった。
(僕でもこれを言われると相当傷つく。)
経験が豊富な父親の力を借りて経営していくことが上手いやり方であるとお互い思っている。しかし男のプライドのせいか永松さんはそれを拒んでいた。
そんな息子を見透かした言葉だったのかもしれない。
母親というのはどこまでも子どもの心が見えるものだ。
「お母さんはそもそもうるさくて当たり前」
この言葉はとある女性に対して投げかけた言葉である
息子である著者へ向けてではないが、同じ人の親として考えさせられる言葉であったので特に印象深かった。
この時たつみさんは何故かお坊さんになっており、悩める人たちの相談に乗りカウンセリングをしてあげていた。
相談に来たその女性は、引きこもりになってしまった息子に悩んでおり、子育て勉強会で「自己肯定感が足りていないから、とにかくほめて育てなさい」「厳しいことをいってはいけない」とで言われたそうだ。
しかしその回答に対して、たつみさんは全く逆の言葉で回答し、
「お母さんはそもそもうるさくて当たり前」
と言った。確かにそう言われれば妙に納得してしまう言葉だと思う。
この言葉は、子育てに悩む母親自身が自己肯定感を失うことで、結局子どもがかわいそうな目にあってしまう。要約するとそういった考えのもとに出た言葉だ。
たつみさんは母親として決めている事が3つある。
- 『子どもに対して心配する時間があるなら、それを好きなことをやる時間に変えること』
- 『子どもがどんな状態であっても、お母さん自身が自分の機嫌は自分で取りながら明るく生きること』
- 『何があっても子どもの味方でい続けること』
この3つを読んで僕は衝撃を受けた。
どれも自分が親としてこうありたいと思う姿だったからだ。
しかしそしてそう思う反面、なかなか実行できないでいる。
やはり子どもというのは、親の姿を見ている。
イライラしたりとり乱した親の姿を見ていると子どもは不安になってしまうものだ。
思い返せば子どものころにそう感じていた気がする。
何があっても子どもを信じてあげ、良き手本としての存在であり続ける。
これこそが子どもの自信にも繋がり、この先を明るく生きていける為の方法なのだと学ぶ事が出来た。
そんな勉強になる言葉である。
永松さんの父とは?
お父さんについても簡単に紹介させてもらう。
実業家である永松さんの父は根っからの商売人である。
後に創業をする息子に対して厳しく接するが、考えは誠実で的を得ている。
妻のたつみさんへの愛はとても大きく、母に手を出してしまった息子の茂久さんを本気のグーでぶん殴るほどの男気をもった人である。
正直同じ男としてカッコイイと思ってしまった。
「お前は自分が喜びたいだけだろ」
ある日、自宅内で行われたたこ焼き試食会が行われた。
永松さんがかつて修行した銀だこの味を真似た『銀だこ風たこ焼き』とオリジナルメニューの『ヘルシーたこ焼き』。
どちらが美味しいか試食し投票してもらった。
結果は『銀だこ風たこ焼き』の完勝であった。
しかし、商品としては『ヘルシーたこ焼き』を販売すると言った。
我を貫こうとするあまり、お客様や従業員を蔑ろにしている事を諭すために言ったのが
「お前は自分が喜びたいだけだろ」である。
商売というのは売るだけではない。従業員がいるのなら尚のことだ。その人たちに給料を払う為にも儲けられる見込みがある方を選択するのが経営者である。そう言うと永松さんは全く反論が出来なかったそうだ。
僕は会社員として雇われて働いている身だが、経営者のマインドと覚悟を知ることが出来た。
「喜ばれる人になりなさい」の意味とは
この本のタイトルであり、本文の至る所でこの言葉を目にする。
如何にこの言葉が永松さんの心骨に刻しているかが窺える。
少年だった永松さんは将来「一等賞になる」と言った。理由を聞くとすごいからだそうだ。
しかしたつみさんはそれではなれない、すぐに追い越されると母は息子に言った。そして不貞腐れている永松さんに向けて言ったのが
「喜ばれる人になりなさい」
という言葉なのである。
母のたつみさんにとってこの言葉は願いでもあり夢でもある。
このエピソードは本書のプロローグとして書かれており、ほとんどの場合は1番最初に読むことになるだろう。
前後にも面白い言葉があるので、是非試し読みで読んでみてほしい。
身の回りにあるものは、全て目には見えない誰かが作ったものであり、その誰かによって僕たちの生活は支えられている。
その事を忘れず、いつか見えない誰かを助けてあげられる存在になって欲しい。
僕の解釈ではあるが、この言葉にはそんな願いが込められているように思う。
僕自身、この言葉と出会ってから少しだけ変化があった。
今まで「あの人に〇〇を売る」という考えで仕事をしていた。しかし「あの人を喜ばせたい。だから〇〇を紹介する」という考え方に変わってからは、嫌だった仕事に対して少し積極的に向き合えるようになった。
人は「誰かのために」というモチベーションで働くことで利益が上がり幸せにもなれる。
もっと早くこの言葉と出会いたかった。しかし、この言葉とこの一冊に出会えて本当に良かった。
まとめ
3日で一気に読み終え、そして泣いた。多分何回読んでも泣いてしまうと思う。
やはり僕はこういった家族についての話に弱い。
本自体も物語チックで没入しやすく、とても読みやすかった。
各章の中にエピソードが何節も書かれているのも、読みやすさの要因なのかもしれない。
帯に書いてあった通り、読み終えた後すぐに母へメッセージを送った。
母も気がつけばもう結構な年だ。
後何回会うことが出来、後何回話すことが出来るだろうか。そんな事を思うと無性に母に会いたくなってしまう。
お互いに離れて暮らしていて、昨今の流行り病の影響で気軽に顔を合わせる事が難しくなった。
しかしオンラインでの通話やチャットアプリが発達した現代を生きている事はある意味で幸せである。
後で後悔しないためにも、なんでも利用して母との時間を作っていきたいと思う。
この記事を読んでくれた皆さまも、ぜひこの本を読んでもらいたい。そして、あなたの大切な母について思いをめぐらせてはいかがだろうか。
詳しくは↓の著者である永松茂久さんの公式ホームページへ
以上。
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