注意:この記事は上記作品のネタバレを多分に含みます。
アマプラで推しの男優が出てる映画を見つけたで観てみました。
昼飯を食いながら何となく再生し、観続けている内に何とも言えない感情になったこの映画「キャシュトラック」。
主演はあのイケてる禿でおなじみ「ジェイソン・ステイサム」その人。
バッキバキの身体に乗っかる甘いマスク、そこから除く鋭い眼光。
アクション映画におけるこの人の存在感は凄まじく、凶悪な敵役が登場してもどこか安心して観ていられる強キャラ感があります。
この映画のパッケージや映画説明文から謎の強キャラ感の漂う雰囲気に惹かれて、ついつい再生を始めてしまいました。
鑑賞後・・・。
この何とも言えないすっきりしない感じ・・・
いつものステイサム映画だと思って軽く見ていたこの作品。この感情を誰かに共有したいと思い、簡単ではありますがこの記事に吐き出したいと思います。
映画を観た僕が皆様へ伝えたいこと
- 4部構成の丁寧な作りで臨場感と没入感のすごい映画
- 子供を持つパパママは上演前の精神状態に注意
- ジェイソン・ステイサムはかっこいい←ここ重要
詳しくは↓の公式サイトへ
痛快アクション映画だと思ってたら・・・
まずはホームページから引用したあらすじより
LAにある現金輸送専門の警備会社フォーティコ・セキュリティ社。日々、現金輸送車(キャッシュトラック)を運転するのは、特殊な訓練を受け厳しい試験をくぐり抜けた強者の警備員たち。そこに雇われた新人パトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)、通称“H”。試験をぎりぎりで合格した彼は周りから特に気に留められる存在ではなかった。しかし、彼の乗ったトラックが強盗に襲われた時、驚くほど高い戦闘スキルでそれを阻止する。
彼は一体何者なのか?周囲が疑心暗鬼に陥る中、全米で最も現金が動く日“ブラック・フライデー”に集まる1億8,000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していた…
映画『キャッシュトラック』オフィシャルサイトより
この紹介文を読んだ時、
「なるほど。つまりステイサム演じるHは実は強くて謎の多いキャラで、銀行強盗たちとドンパチやりあういつものヤツか!」
と思いました。
僕の中のステイサムといえば、「トランスポーターシリーズ」、「MEGザ・モンスター」のイメージが強いです。
特に正体のわからない感じや強大な敵と戦うあたり、絶対トランスポーターのような格好いい痛快アクション映画だと思ってました。
実際映画序盤では、あらすじ通りに物語が進行しします。
警備員の仲間のキャラも立っていて、面倒見の良いベテランのおじさんや、みんなから下に見られ頼りない相棒、男顔負けのカッコいい女性警備員とその相棒に陽気なにいちゃん。
「最初は衝突仲間たちだけど、強大な敵を前に一致団結して戦うアツい展開来るか!」
「この映画はバディ物の要素もあるのか!なんと奇遇な!」
・・・と明るいエンディングを想像していたのも束の間。
画面暗転して登場した少年と私服のHが出てきてから、この映画の本性が顔を出しました。
以下はその衝撃的な内容の見どころを取り上げて解説します。
見どころ①:目を覆いたくなるような衝撃展開
その後は過去のエピソードでHの正体や警備会社に入社するキッカケが明かされていきます。
キッカケが凄まじく、現金輸送車を襲撃中のとある武装集団の手によって、Hの息子が殺されてしまう事件が起きます。
銃を向けられ怯えながら父に助けを求める息子と、撃たれた息子を見て取り乱し走り寄るシーンは、見ていた僕も悔しくて涙が出そうになりました・・・
Hは復讐と報復のために部下のギャング達を使い、これまた穏やかじゃない方法で探し回ります。
そしてなんやかんやあり警備会社へ潜入し、冒頭の入社のところに繋がっていきます。
この流れを見て「Hの謎が分かりってスッキリ」
なんて事を思うよりも前に、息子を失ったHの悔しさや悲しさといった感情が自分にも流れ込み、もうそれどころではありませんでした。
あまりに衝撃的で、1歳の息子を持つ僕には強烈に印象に残るシーンでした。
見どころ②:丁寧すぎて没入感がすごい
Hの過去が語られ場面が変わり、今度は敵側の強盗犯にスポットが当てられました。
Hの息子を殺めた犯人、実は退役した元軍人達で、Hが居る警備会社には実は彼らの内通者がいる事が明かされます。
中でもHの息子の仇でもあるジャンという男は、先の事件で仲間からその異常性を疑われており、チーム内で不穏な空気がながれます。
しかしそんな中でも内通者の情報を得て周到な準備を行い、ブラックフライデー前日に集まる大金を狙って動き出します。
元軍人達にも家族が居て、それぞれの今後の生活資金に絶対にやり切るという覚悟と信念を、リーダーが仲間達に語るシーンが印象的でした。
でもそんなことよりもH息子の仇への強い怒りが湧いてきて、より一層ステイサムに感情移入しました。
見どこと③:富野作品さながらの怒涛の展開
ここからは①導入→②Hの過去→③敵の正体、からの→④警備員vs強盗犯の決戦に突入します。
そうです、実はこの映画4部構成でした。
ここまで両者の思惑と内情がわかる構成は珍しいと思いつつも、警備会社車庫で激しい銃撃戦が開始されました。
内通者の手引きによって完全に泡を食った警備員側に対し、周到に計画された作戦に完全防弾装備をまとった強盗犯による一方的な侵略が始まりました。
通常装備の警備員は1人、また1人と撃たれて行きます。
冒頭で出てきたバディ役も、男前お姉さんも、相棒のにいちゃんも、とにかくほぼ全滅します。
さながらザンボット3かダンバインを見てるようでしたね。
呆気なさ過ぎてなんか逆に気持ちいいくらいでした。
最初の想像していた「仲間と協力して強敵を打ち倒すアツい展開」なんてありませんでした。本当にありがとうございました。
しかしこの映画の主演はジェイソン・ステイサム。
気を見て逆襲するHが1人、また1人と強盗犯を倒していきます。
なんとか現金を持ち出した強盗犯は、仲間割れの末にHの仇であるジャンだけになります。
でも主演はステイサム。最後にはジャンを撃ち倒しHの復讐は終わり、静かに映画が終わります。
え?終わり?
そう、このなんとも言えない虚無感を抱えたまま終わりを迎えます。
念願の復讐を果たせたはずなのに。
見どころ④:この映画のメッセージとは
よくある痛快なアクション映画と思いきや、かなり重めな復讐劇だったわけですが、
正直な感想を言えば面白かったですね
特に4部構成な作りが上手くて、予想外の展開からのキャラの深堀への導入がとても自然で理解し易かったです。
ただやっぱり後味の悪い終わり方でしたね。復讐は果たせたはずなのに、全くスッキリしませんでした。
この映画を精神状態が安定している時に観れて本当に良かったと思いますね。そうでなければ心が病んでいたかもしれません・・・
復讐を題材にした作品は数多くありますが、それぞれ結末は違います。
復讐を果たすか、復讐をやめるか。理由も事情も様々です。
この「キャッシュトラック」もその中のひとつではありますが、復讐を果たしたHがその後どう思い、どう生きるのかは語られないままです。
復讐は何も生まない良くないことだという理屈は部外者の言う綺麗事だと思う反面、虚しくどうしようもなく悲しい事だと考えさせられました。
まとめ
近年でも、児童の車内置き去りの事件や自動車暴走事故など、子ども達が被害にあう悲しい事件は後を絶ちません。
その被害者の立場に立った時、心の底から相手を憎みきるのか。それともどうしようもない事だと思い相手を許すのか。
今の僕には答えを出せそうにはありません。
それはそうとこれだけは断言出来る。
「ジェイソン・ステイサムはかっこいい」と。
以上。
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