10月6日のプレイ開始から20日掛けてようやく『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』(以下『聖戦』)をクリアした。
今回は人生初の 『ファイアーエムブレム』作品である『聖戦』の紹介と、1週目クリアによって得た感想をざっくりとまとめさせてもらう。
ちなみに今回プレイした環境は「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」である。
第1部・紹介
割と昔のソフトなので一応ご紹介を。
一部感想が混じっているがどうかご容赦いただきたい。
『聖戦』の概略
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜
- 機種:スーパーファミコン
- 発売日:1996年5月14日
- ジャンル:シミュレーションRPG
- プレイヤー数:1人
- 販売:任天堂
- 開発:インテリジェントシステムズ
かつてユグドラル大陸は、暗黒神ロプトウスを奉じるロプト帝国の支配下にあった。長く圧政を敷いたロプト帝国だったが、ロプト皇帝の弟マイラと十二聖戦士によって、ついに打ち倒され、世界は各地に散った聖戦士の末裔まつえいによって統治されることとなった。
出典:CHARACTERS [聖戦の系譜] | ファイアーエムブレムワールド【FIRE EMBLEM WORLD】(https://www.nintendo.co.jp/fe/characters/series/04.html)
それから時は流れ、グラン歴757年。
東の王国イザークへの遠征のため手薄になったグランベル王国へ、国境を接するヴェルダン王国が突然侵攻を開始する。ユングヴィ城は制圧され、ユングヴィ家公女エーディンが連れ去られてしまう。父・バイロン卿の留守を任されていた、聖戦士バルドの血を引くシアルフィ家の公子シグルドは、幼なじみでもあるエーディンを助けるため、わずかな兵と共に挙兵する。
これこそ、シグルドやほかの聖戦士の末裔、そしてその子供たちをも巻き込んだ、ユグドラル大陸全土を揺るがす戦乱のはじまりであった。
『ファイアーエムブレム』シリーズの特徴
1990年発売のファミリーコンピュータ版『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』から始まった「ファイアーエムブレム」(以下「FE」)シリーズ。
当シリーズは、ユニット毎のグラフィックやステータスの付与のほか、獲得した経験値による成長要素といった、今やシミュレーションゲームにおいて当たり前となったRPG要素を当時初めて取り入れたパイオニア的存在として、ゲーム界に大きな影響を与えた作品となる。
また、「FE」シリーズといえば戦闘で敗北したユニットは永久的に使用不能(一部例外有り)なるシステムを取り入れたシビアなゲームとしても知られていおり、それゆえにプレイヤーは常大胆且つ繊細な判断が求められる。これこそそ「FE」シリーズてごわいシミュレーションと称される所以となる。
『聖戦』の特徴
『聖戦』は「FE」シリーズの第4作目に当たる。
キャッチコピーは「愛の絆が武器になる。」
シリーズの基本的なゲームシステムの殆どそのままに、進化した美しいグラフィック・アニメーションは勿論、哀愁と希望に満ちたBGMなど、ゲーム的な面で前作『紋章の謎』から大きく進化を果たしている。特に音楽周りの作り込みは素晴らしく、毎章移り変わる情勢にマッチBGMが再生されるという凝った作りをしている。
シリーズの進化はこれだけではない。本作より「恋愛システム」「武器・魔法の3すくみ」「スキルシステム」「騎乗ユニットの再移動」など数多くのシステムが実装された。これらシステムは後に発売される作品へも大きな影響をあたえており、シリーズとしてもエポックメイキングな作品だったと言える。
公式からの説明文は↓から
ゲーム難易度
難易度は割と高め。
しかしSwitch版とWiiU版は巻き戻し機能が使えるためそこまで難しく感じないだろう。
プレイ時間
クリアまでの総プレイ時間は75時間25分だった。一応参考程度に。
第2部・感想
ここからは『聖戦』のプレイを通して感じた事を中心にまとめてみる。
①複雑だけどストーリーが面白い
プレイを開始すると先ず始まるのが、本作の舞台となるユグドラル大陸の建国史だ。
「知らん・・・何それ・・・」
しかし、ある程度プレイしていく中で設定が分かってくると面白い。
要は、かつて世界を救った聖戦士たちの末裔たちの覇権争い、邪教徒たちの策謀、主人公たちの愛と友情・・・それらがだだっ広いフィールドの中で複雑に混じり合った物語なのである。
この様に表現すると重厚感を全く感じないかもしれないが、そこは悪しからず。
最初、主人公のシグルド公子の目的は「幼馴染を助けるため」だった。これだけだとよくあるRPGの導入の様に見えるのだが、いつの間にか自国内の覇権争いに利用され、挙句はみんな邪教の掌で踊らされてしまい、徐々に雲行きがあやしくなってくる。一体何のために戦っているのか。章を追うごとに立場が悪くなるシグルド一行を通し、プレイヤーは戦争の愚かさと、争いを利用する者たちの醜さについて考えさせられる事になる。
まあなんやかんやあった最終的な印象としては「大河ドラマみたい」という感想に落ち着く。もしかして三谷幸喜さんがシナリオ書いてます?
②圧倒的ボリューム
この『聖戦』、序章から終章までのマップ数が僅か12個しかない。数字だけをパッと見た限りだとボリューム不足ではないかと思ってしまうだろう。
しかし全くそんな事はなく、むしろ毎章過剰なほどに満足なボリュームである。
その要因の8割は、異様に広すぎるフィールドマップにある。
参考までに終章マップの広さは横62マス×縦62マスとなっている。移動力9のユニットでマップの隅から隅まで移動しようとした場合は約7ターン掛かる計算になる。まあ、実際は侵入不可の山や深い森など、地形効果による歩数の変化変化があるのでもっとターンが必要になるだろうけど。
そんな感じだから必然的に攻略時間は長くなってしまう。正確に測ってはいないが、クリアまでの総プレイ時間が75時間だったのを考えると、1マップ当たり大体5〜6時間は掛かっていることになる。空いた時間にサクッとプレイするには大きすぎるボリューム感だ。寝る前に始めてしまえば最後、朝方までプレイしてしまう事になってしまうだろう。現に僕は寝食を忘れて連日プレイしていた。お陰で最近体調がひどく悪い。
この様に、1つのソフトに申し分ないほどに大満足な内容が盛り込まれているのである。長く遊べてコスパ最強だ。
③BGMがゲーム進行とベストマッチ
「『聖戦』の特徴」で前述した通り、本作のBGM、とりわけフィールドマップで使われるBGMの作り込みが素晴らしい。
物語は序章から終章までの全12章で構成され、各章にそれぞれ地形の異なるマップが12個用意されている。ストーリー物も作品なのだから当然、章によって自軍・敵軍だけではなくユグドラルー大陸全土の情勢が変化していく。その変わりゆく情勢に合わせかの様に、章毎に毎回違うマップBGMが使われている。
特に印象に残ったのが第2章のBGMだ。
前章でシグルド一行は、ヴェルダンによって攫われた幼馴染を救出し、裏で手を回していた者を打ち倒した。第2章では、当初の目的を果たしたシグルド達が新たに避けられぬ戦いに身を投じたことで、世界を揺るがす程の陰謀に巻き込まれていく展開となる。そんな2章に流れるBGMは、これまでの章で使われていた前向きな曲とは打って変わり、とても物悲しく哀愁漂う曲が採用されている。そんなBGMが章の雰囲気だけではなく、更には敵に囲まれ救援を待つラケシスともベストマッチしているのである。ゲーム的にも、この2章からは少し難易度が上がっており、これまでより慎重なプレイングが要求されてくる。
そんなこともあってか、この2章BGMは特に印象深く記憶に残っている。
そのほかにも、第4章のRPG定番である雪山マップに合わせたBGM。
第6章は悲劇からの再出発を思わせる希望に満ちたBGM。
終章ではこれまでの戦いの先にある「最後の聖戦」を思わせた盛り上がるBGM。
この辺りもよく出来ている。
とにかくレパートリーには事欠かないので、未プレイの方はとりあえず序章のBGMだけでも聴いてみてほしい。
④キャラが良い
結局のところこの一言に尽きる。
シナリオとか音楽とか色々良いところを語ってきたが、やはりキャラの魅力的なのは良い事だ。
個性的な美形キャラの多い(一部例外有り)本作の1番の目玉だと言えるだろう。
ここで、『聖戦』における僕のお気に入りキャラクターを3人紹介させて頂く。
シグルド |
◯本作の前半主人公 ◯RPG史上屈指の不幸主人公 ◯最強=登場時から上位クラス+[銀の剣]を最序盤で入手 +血統による高い成長率+スキル[追撃]持ち+騎兵 ◯少数部隊を率いて次々と隣国を制圧する戦上手である ◯出会って2回目の女性にプロポーズ→即結婚を果たす恋愛上手でもある |
アイラ |
◯クール系黒髪ロングおねショタ女剣士 ◯最強スキル[流星剣]の使い手 ◯公式絵のスリットがプレイヤーを狂わせる ◯アイラがペカったら勝ち。 ◯[勇者の剣]を持たせた彼女に倒せない敵はいない。 (尚、筆者は入手出来なかった模様) |
フィー |
◯子世代のペガサスナイト ◯盗賊絶対56すウーマン ◯母・フュリーの使い込んだ[勇者の槍] と父・レヴィンのスキル[必殺] を継承させたためとにかく強かった。 ◯単騎で無双・村の救援・長射程敵ユニットの処理など、なんでも出来る脳筋万能キャラ。 ◯しかし魔防の関係で終盤はナメック星時のピッコロさんと化す。 |
⑤恋愛システムが奥深い
『聖戦』から新たに「恋愛システム」が実装された。
本作では、物語前半の特定ユニットを除く男女ユニットペアを恋人同士にすることができる。恋人同士はマップ上では近くに寄せておくことで支援効果を与えられるほか、ユニット間で資金の受け渡しができるようになり、戦略的にも得られる効果は大きい。また、本城へ恋人同士となった2人を帰還させる事で惚気た会話イベントを見ることもできる。
そして、恋人となった2人の間から生まれた子どもが生まれ、物語後半の味方ユニットとして自軍に参加するだけではなく、親同士のスキルや武器などを受け継がせることができるのである。
このシステムがとにかく奥深く、キャラの個性が売りの「FE」との噛み合いはすごく良い。
子どもの性能を重視するか。ストーリー重視の組み合わせにするか。推しキャラ同士をくっつけさせるか。恋人にさせるカップリングはプレイヤーによって様々である。組み合わせによってプレイヤーの個性がハッキリと見えてくるだろう。
ここで、僕が『聖戦』プレイした時のカップリングを紹介させて頂く。
熟考の末に出た結論が上記カップリングである。
もし2週目をプレイするならレヴィンの奥さんをティルテュにしても良いかもしれない。
その場合、物語後半で最強魔法[フォルセティ]を継承した息子・アーサーを運用できるのは大きい。更にアーサーはクラスチェンジすることで騎兵になれるのも魅力的だ。しかし、個人的には[フォルセティ]はフュリーの息子・セティに継がせてやりたいので悩ましいところだ。
カップリング談義は敵を作り兼ねないのでこの辺りにしておく。
第3部・不満
ここまで散々良い所を語って来たが、ここらで『聖戦』の悪い所も少しだけまとめてみる。
①マップが広すぎる
評価点の「圧倒的ボリューム」でも触れたが、本作はとにかくフィールドマップが広い。ただ広いだけではなく滅茶苦茶広い。その上、進行不可な森や崖、移動力低下の林やが至る所に存在する。そのため移動力の高い騎兵を主に運用していくことになるのだが、マップによっては騎兵の足を遅くさせる砂漠もあったりする。
ただ攻略が遅くなるだけではなく、歩兵ユニットが活躍し辛いのは頂けない。歩兵には推しキャラのアイラのほか、金策で頼りになるデューも居る。そんな魅力ある歩兵をもう少し活躍させてあげたかったと思うのは僕だけだろうか。なんだか釈然としない。
②スリープの杖がウザい
物語後半、とりわけ終盤になると敵のスリープ祭りが始まる。
敵に2体いる程度ならば被弾覚悟でゴリ押せるためそこまで気にならない。しかし終章はそんなものではない。
こちら終章で最初に攻めることになる城の敵初期配置である。
出撃する前から早くも嫌になって来たのをよく覚えている。スプラトゥーン3で気を紛らわさなかったらクリアまで進むことは出来なかっただろう。
結局魔坊の高い神器持ちの騎兵2人の活躍でどうにか切り抜けることが出来たが、それ以外のユニットは着いて行けなさ過ぎて最早ピッコロどころかチャオズ状態になっていた。ここでも歩兵はお荷物なのかと思うと悲しくなってしまう。
第4部・総括
最後に不満をぶちまけさせて貰ったが、それを含めたとしても『聖戦』は良作だったと言える。
寝食を忘れるほどゲームにのめり込んだのは何時ぶりだろうか。先の気になるストーリー。展開を盛り上げる素晴らしいBGM。魅力的なキャラクターたち。そして闇奥深い恋愛システム。どれを取っても素晴らしい。
何より、今まで手を出して来なかった「FE」シリーズに触れる事が出来たのが本当によかった。自分自身、まさかここまでどハマりするとは思ってもみなかったので驚いている。やはり何事も行動しないと本質は見えてこないものだ。
もし、かつての僕のような「FE」未プレイな方がいるのなら、是非最初はSwitchで『聖戦』をプレイして頂きたい。巻き戻し機能により程よい難易度で「FE」を楽しめるのでオススメだ。
僕は一足お先に『ファイアーエンブレム ヒーローズ』を触ってくるので『聖戦』についてはここでお終い。
以上、ありがとうございました。
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