『人は話し方が9割』で得た学びと感想

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永松茂久=著『人は話し方が9割』を読んだ。

新型コロナウイルスの第5類感染症移行に伴い、自粛モードの沈んだ世は徐々にアフターコロナの時代へと変わろうとしている。僕が営業職で勤めている職場もその例外ではなく、なんとなくではあるが、コロナ禍で落ち込んだ売上げ・客数の回復を求められるようになってきた。とはいえ、コロナの影響で離れたお客さまとの距離は簡単には戻らない。コロナ禍で新たな仕事のやり方が確率された一方で、営業のやり方もこれまでから変わってきている。

僕も何か変わらなくてはならない・・・。

ということで手に取ったのがこの『人は話し方が9割』だ。いままでの自分の話し方を変えることで状況を好転させるため、そしてそもそも営業職なのにコミュ障な自分を変えるため、この本を読んでみようと思い至った次第である。

当記事では『人は話し方が9割』の紹介と、読んでみて得た学びをまとめてみた。

本書の紹介

著者の永松茂久さんといえば、以前当ブログにて紹介した『喜ばれる人になりなさい 母が残してくれた、たった1つの大切なこと』を書かれた方と同じ人物である。自伝調な作風だった『喜ばれる人になりなさい』とは打って変わり、本書『人は話し方が9割』は会話の方法と人間関係構築に特化した実用書となっている。

実際のところどれくらい実用的なのかは上写真の本書帯紹介文が物語っている。発行部数120万本の大ベストセラーということもあり、どこへ行っても平積みで並べられるほどに書店からの信頼も厚い。そもそも一体どうすれば2019年の発刊から3年連続ランキング1位を維持できるのか。話し方の“how to”のついでにそちらのノウハウを教えて頂きたいところだ。

内容としてはそこまで難しいことが書かれている訳ではない。どの項目も実践し易く、尚且つコミュニケーションの本質をついている。しかも新しくて画期的な方法を説いているのではなく、あくまでも人付き合いの“当たり前”を読者自身に気付かせる様な内容となっている。これは広い世代に支持されているのも、ベストセラー本となった理由も納得だ。

直ぐ実行できる「話し方」が上手くなるマインド3選

ここからは本書で紹介されている良い「話し方」の中で特に気付きとなった項目を3つ紹介しよう。

どれも考えを変えるだけで簡単に実行できそうな方法なので、是非皆さまも気軽に挑戦して頂きたい。

①自己肯定感を高める

本書がまず1番最初に紹介している方法がこれだ。
人より自己肯定感の低い僕がこの項目を読んだ時、突然この本に腹を刺された様な気分だった。しかし、読んでみるとなるほど、納得した。自分がどうしてコミュ障なのかわかった気がする。

そもそも、自分はなぜコミュ障なのか。
会話が下手だから?他人が怖いから?自信がないから?
自己分析をすると様々な理由が思い浮かんでくるが、詰まるところ根底にあるのは「苦手」であった。

本書によれば、この様な状態を「自己否定感(自己肯定感をなくしてしまったメンタル状態)」と言う。こういったメンタル状態になる人の多くは、過去に起きた失敗や誰からの厳しい指摘が原因となり、今でも話すことを苦手に感じているそうだ。確かに、僕は過去に話の内容がぐちゃぐちゃだったことがあった、滑舌や声の大きさを強く指摘されたしたことがあった。しかも、僕は昔からなんとなく怖くて人と目を合わせられなかった。それらの経験が今の自分を作りあげてきたのだと考えれば、なぜ自分がここまで自己肯定感が低いのか納得できる。

しかし、コミュ障である理由がわかったところで、そう簡単に過去を克服できたりはしない。

ならば、コミュ障で会話が苦手な僕はこれからどうしてゆけばいいのか。
本書には、それらをどうにかするための考え方が紹介されている。

・必要以上に気にせず恐れない。

たった数度の失敗、数人からの指摘を気にして萎縮するなんてのは、著者の述べる通り確かにもったいない。「こういうこともある」「こういう人もいる」程度の軽い気持ちで受け止めてていきたい。

・相手も自分も「全肯定」

人は肯定してくれる人を肯定するようにできており、こちらが相手を否定しなければ、相手もこちらを否定しなくなる、という理屈。確かにそう言われてみれば、人ってそういう理屈なのかもしれない。


以上2つの考え方で会話の経験を積む事で、自然と自己肯定感を高まっていく、との事だ。

②相手に関心を寄せる

次は相手とコミュニケーションを取る上で必ず押さえなければならない考えをご紹介する。
これは、さまざまな人と関わってゆく中で最も大切なことであり、最も本質的な考え方である。
その考え方“三大原則”は以下の通りだ。

1つ・人は誰もが自分のことが一番大事であり、自分に一番興味がある生き物である

2つ・本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している

3つ・人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる

出典:永松茂久.『人は話し方が9割』.すばる舎.2019.P40〜42

別に画期的でも革新的でもないのに、どの考え方もハッとするような気づきと発見を与えられた。確かに僕も、僕を大事にしてくれる人が好きだし、僕のことをわかってくれる人が好きだわ。何なら話しかけられるだけでその人のことが気になってしまう。コミュ障がなぜチョロいのか。その片鱗を理解することができた気がする。

僕がそうならば、他人だってそうに違いない。もし相手に自分のことを好きになってもらえたならば、後はもうこちらの勝ちの様なものだ。営業の仕事においてこれほど有利な状況はないだろう。僕がこの本を読む前に悩んでいた「人との距離」も、この考えを理解していれば何か状況が好転するかもしれない。

冷静に考えてみれば当たり前なことかも知れないが、これこそがコミュニケーションの本質なのだろう。

③「聞く力」を上げる

「話し方において一番大切なことは、聞くことである」

出典:永松茂久.『人は話し方が9割』.すばる舎.2019.P45

ここで「話し方はどこに行った?」と思った方も居ることだろう。僕も45ページ目にしていきなり前提が覆ってしまったことに少し驚いてしまった。

しかし、考えてみれば確かにその通りだ。
前項②の考えを実行するためには、まず相手を知らなければならない。そして、相手を知るためには、相手の話を聞かなければならない。
相手が何に興味を持っているのか。何を考え、何を求めているのか。
仕草や言葉から探る必要がある。そのために必要になってくるのが、相手から情報を引き出すための「聞く力」である。

しかし、ただ黙って相手の話を聞いておけば良いのではなく、相手の話に合わせて適切な“リアクション”を取らなければならない。本書では、相手から話を引き出すためのテクニック「拡張話法」が紹介されている。
その拡張話法を簡単に紹介すると

①感銘 例:「そうなんですかー!」

②反復 例:相手「〇〇なんだ」→自分「〇〇ですねー!」

③共感 例:「わかるー!』

④称賛 例:「すごーい!」

⑤質問 例:「それからどうなったの!?」

これらを良きタイミングで投げかけることで、自然な形で相手の話を発展させることができるとの事。相手は気分よく話すことができ、こちらは相手のことをより深く知ることができるという寸法である。

これまで紹介した中で最も実用的なテクニックなので、自分の脳によく刻みつけておきたい。

まとめ

ここで、これまで紹介した本書の内容をまとめると

・相手を肯定することで自己肯定感を高め「会話が苦手」を克服する

・相手に興味を持ち相手を理解することで自分を好きになってもらう

・拡張話法で相手の話を広げることで相手のことを知る

今回紹介した考え方とテクニックは、あくまでも本書のほんの一部であり、本書の前半部分に過ぎない。中盤以降には更に実用的な考え方が書かれているが、これ以上はキリがないので、紹介はこのあたりにしておく。

高度な会話テクニックが紹介されている訳でもなければ、先進的な心理学に基づいたような講釈が語られている訳でもない。あくまでも極当たり前な内容で、本来“自分自身がそうして貰いたい”と願っている考え方が書かれてるのである。この本は、そんな会話における大事な発見と気付きを与えてくれる素晴らしい1冊であった。

しかし、この本を読んだからといって、まだ仕事が良い方向に好転した訳ではない。これからも繰り返し読み込み、実践していくことで、これからの生活を豊かなものにしてゆくと共に、生来身体に染みついたコミュ障の汚れをキレイにしていきたい。
そのように思う次第である。

人は話し方が9割 単行本

「もう会話で悩まない!疲れない!オロオロしない!」――もっと話し方がうまければ、人生うまくいくのに……。「話すこと」にまつわる悩みを挙げるとキリがありません。本書でお伝えするのは、コミュニケーションの基本である会話がうまくいくようになる、ちょっとした、でも多くの人が気づいていないエッセンス。過去に会話で失敗したトラウマもあっさり消え去ってしまうほど、人と話すことがラクになり、人間関係も、人生も、全部がよりよい方向に動き出します!

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以上、ありがとうございました。

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