『イン・ザ・プール』の感想

書籍
スポンサーリンク

 積読してた本作を読んだ。なぜ積読する読書意欲が落ちるのか。

 精神疾患に悩む患者たちと変人精神科医・伊良部による交流を描く連作短編作品。ヤバい患者がヤバい医者からヤバい治療を受ける物語が、なんと5編も綴られている。ヤバい。

 プール依存症、常時フル勃起(慢性勃起症状)被害妄想癖、携帯依存症、強迫性障害と、患者の精神疾患も中々にヤバい。フル勃起の民はともかく他4つはどれも生々しくて笑えない。僕も程度は違えど被害妄想に駆られる時もあるし、無くなれば気が狂いかける程度にはスマホに依存している。もろちん常時フル勃起の経験はない。

 とりわけ強迫性障害だけは本当に笑えなかった。作中の彼ほど重症ではないけれど、概ねそれに近い強迫観念に苛まれる時がある。僕の場合は車の降車時が酷い。鍵の締め忘れに始まり、ライトを消し忘れていないか、サイドブレーキの引き忘れはないか、金品やら個人情報を外から見える位置におき忘れていないか等々、気になり始めると確認しないではいられない。降車から数歩圏内なら、まだどうにかなる。ところが出先の屋内で気が付いた日にはもう用事どころではない。嫌な想像が膨らむ。

 もしバッテリーが上がったなら誰かを呼ばなければならない。けれど来てくれる人はいるのだろうか。そもそも人がやって来れる場所かどうかも心配だ。バッテリー代金を手持ちで払えるのか。サイドブレーキの効いていない車は駐車位置に留まっているだろうか。動いているならば何にかに衝突しているかもしれない。物損か、人損か。家族と会社にどう説明すればいいのか。僕や誰かの個人情報が悪の組織によって悪用されるのではないか。車上荒らしにあっていないか・・・。

 バカバカし過ぎる。客観的に考えてみると随分と滑稽である。しかし気になってしまうのだから仕方がない。作品の彼のような奇行に走っていないだけ、まだマシだと思いたい。早く「いらっしゃ〜い」してもらわなければヤバい。

コメント