ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンZ!!
をアマプラで観た。
以前から子どもと2人並んでちびちびと観ていたこの作品。4ヶ月くらい掛けてようやく観終えることが出来た。いやぁ、30分×2クールのドラマを10〜15分程度しか集中力が持たない子どもと観るのは中々骨が折れる。2歳児にドラマパートは退屈だったかもしれないが、少なくとも35歳児にはよーく刺さる素晴らしい作品だった。
人類と未知の存在との関係性が非常によく、そこまでチープさを感じさせない程によく作り込まれていた。かといって大人向けのハードSFという訳でもなく、全体的に明るくエネルギッシュさが溢れており、尚且つミニチュアセットで撮影された特撮シーンはどれもド派手でカッコよく、大人は勿論小さなお子様も一緒に十分楽しめる作品となっている。これはもう、当時コロナ禍で沈んだ人々に受けるのも納得だ。
以下、僕の『ウルトラマンZ』のアツいポイントをいくつか挙げてみる。
①似た者同士の新米バディがアツい
本作はウルトラマンと人間によるダブル主人公体制となっている。
ウルトラマン側は勿論、タイトルにもなっているウルトラマンゼット(以下ゼット)が担当。
彼は故郷である「M78星雲光の国」の組織・宇宙警備隊所属の若き戦士であり、幾度となく銀河の危機を救った戦士・ウルトラマンゼロ(以下ゼロ)の弟子を自称している。
人間側の主人公は、青年・ナツカワハルキが担当。
彼は地球防衛軍が組織する対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」の若き隊員で、隊の保有する対怪獣ロボット・特空機の操縦士を務める。
この両名の共通点は
・所属部隊の新人隊員
・礼儀正しい体育会系
・上官に慕われている
・熱血漢
・正義感が強く
ざっと挙げただけでもこれだけ出てくる。
このほかにも、第1話で面識がないながらも、2人同時タイミングで身を挺して怪獣から避難民を庇う姿も見られた(その後、同時に命を落とすところも息ピッタリ)。ゼットとハルキ、どちらも似た精神性の持ち主であることが伺えるエピソードだ。
融合後、ハルキら4977歳年上のゼットに対して敬意を払い”さん“付け + 敬語で接し、ゼットは力・技術の劣るハルキに対してもパートナーとして敬意を持って接する。一方、ゼットはハルキたちストレイジの力を信頼し、一方でハルキも強大なゼットの力に頼り過ぎず、互いを認め合い、共に宇宙からの脅威に立ち向かって行く。
お互いがお互いを支え合い、成長して行く姿は、視聴者としても応援し甲斐のあるアツいコンビだと言える。
②新米パイロットの青臭さがアツい
ロボット作品において「新米パイロットが敵を殺められなくなる」というパターンは定番中の定番であり、パイロットの人間的成長と作品とリアリティを演出する上でも外せないシチュエーションだと言える。隊員自身がロボットに搭乗する『ウルトラマンZ』も勿論例外ではなく、作品の奥深さとキャラクターの成長をしっかり演出している。
「ウルトラマンでそんな重たいシチュエーションやるか!?」と思わなくもないが、そこは心配ご無用。ウルトラマンらしく敵である対象が「怪獣」となっているため、ある程度童向け作品らしい配慮もバッチリだ。
新人隊員・ハルキの場合、孵化前の卵を守るレッドキングのつがいを目撃してしまい、同じ命を持った敵怪獣を意識するあまりまともに戦えなくなってしまう。そして、その後ハルキは数話に渡り悩み続けることになる。
突然の不調に困惑するゼット。「卵が孵化し餌を求めて街に来たら?」と諭されるも、戦う覚悟が完了しないハルキ。そんな折、出現したブルトンの能力により、現実では既に他界している在りし日の父・マサルと出会う。消防隊員として人々を守る父の覚悟を知ったハルキは、迷いながらも、もう一度立ち上がる覚悟を決めるのであった。
といった具合に主人公の挫折と復活を描いている。
定番のシチュエーションとして物語に深みを与えると同時に、視聴者へ命を頂くことに対する意味と責任を問うメッセージの提示。青臭さは弱さと優しさだけではなく、物事を深く考えることの重要性を説く。葛藤し、迷いながらも前に進むハルキの姿は、視聴者に勇気と元気を与える。
大人と子どもという世代への配慮だけではなく、怪獣単体のファンも多いウルトラマンシリーズファンに向けた配慮も欠かさない。『ウルトラマンZ』にしか表現できない素晴らしい演出であった。
③レジェンドウルトラ戦士の客演がアツい
ウルトラマンシリーズの楽しみといえば、やはりウルトラマン同士の横の繋がりは欠かすことができない。単純なウルトラマン同士の親子や師弟の関係だけではなく、過去に交流があったりかつて共闘した仲だったりと、ウルトラの絆は海のように広くて深い。最近だと劇場作品と限定配信作品で当たり前のように複数のウルトラ戦士が集合するが、現行TVシリーズ内に他ウルトラ戦士が登場するなんてことは、2クール枠を通して見ても結構稀なことであり、観ていてテンション爆上がりの激アツ展開なのである。
そんなこともあり、他ウルトラ戦士のゲスト参戦(以下、客演)は意義のあることで、作品が盛り上がる要素の1つと言える。
今回観た『ウルトラマンZ』にも客演のウルトラ戦士は登場する。
師匠(本人は否定している)であるゼロは当然のことながら、かつてゼロと共に戦ったことのあるウルトラマンジード(以下、ジード)も参戦する。ゼロにとってジードは、かつての強敵・ベリアルの遺伝子を引き継ぐ因縁深い相手であると同時に、戦士として導き、共に戦った仲間でもあり、謂わば戦友であり師弟のような関係に当たる。そして、ジードはゼットにとって兄弟子(ゼロとジードは認めていない)に当たり、その関係性は先輩後輩以上に深い。
そんな3人が共闘する第7話「陛下のメダル」は、とにかく豪華でめちゃくちゃアツい。
舞台は燃える夕焼けの工業地帯。ジードはゼットと同じゼットライザーをつかい新フォーム・ギャラクシーライジングへと変身。ゼットと共に戦うも、次々と姿を変えるベリアル融合獣の前に苦戦を強いられる。もはや危うし・・・、となった場面でワームホールに囚われていたゼロが参戦。3人となったウルトラマンたちの必殺光線が放たれる。ベリアル融合獣を倒した3人は、赤々と光る夕日に向かって飛び立って行く・・・。
面子の豪華さもさることながら、共演する舞台セットの美しさも見逃せない。背景の大きく光る夕日は特に印象的で、ウルトラセブンの「狙われた街」を思わせる舞台をバックにセブン一門が戦うという、ファンもニヤリのオシャレ演習も堪らない。如何にシリーズファンを大事にしているかがよく伝わる作り込みであった。
この回以外にも、ジードが再登場する回のほか、実はゼットの名付け親だったウルトラマンエース客演回も存在するが、いずれも第7話と同じくらいアツい。
まとめ
一応ここまでをまとめると
①応援し甲斐のある似た者同士コンビがアツい
②定番シチュ「新人パイロットが敵を殺められなくなる」から感じる深い配慮とメッセージ
③第7話の客演回が豪華でオシャレ
上記3点の他にも本作の魅力はあるが、これ以上はキリがないのでこれくらいにしておく。
現在、同じ田口監督の作品である『ウルトラマンオーブ』を視聴しているところだ。
こちらも視聴でき次第、完走した感想を述べていきたいと思う。
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以上、ありがとうございました。
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