『銀牙―流れ星 銀―』はいいぞ【Kindle Unlimitedオススメ書籍紹介】

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今回はKindle Unlimited限定で全話読み放題中の漫画『銀牙―流れ星 銀―』(高橋よしひろ=作)の紹介する。

『銀牙―流れ星 銀―』簡単あらすじ

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀―|5ページより

虎毛の秋田犬・銀。誕生して間もない銀は、幼犬にも関わらず生まれながらにして戦う宿命を背負う。
熊犬の祖父・シロと父・リキの仇敵である殺人大熊・赤カブトを倒すため、銀は志を同じくする野犬「男」達を集める。
奥羽の地で今、犬VS熊の死闘が今始まる。

『銀牙―流れ星 銀―』簡単作品紹介

『銀牙―流れ星 銀―』は、週刊少年ジャンプにて1983年から1987年のあいだ連載されていた漫画作品となっており、熊犬・銀をはじめとした個性的な犬たちからなる熱血冒険バトル漫画である。

今作最大の特徴は、なんといっても序盤を除く全てが「犬」目線で展開されている所にある。そのため主人公はもちろん、仲間キャラやライバルキャラに至るまで、ほとんどの主要キャララクターが犬となっている。犬がメインの漫画でありながらしっかりとジャンプ漫画らしい作品となっており、犬同士が人間の様に会話し、バトルの駆け引きや心理描写の描き方も人間物のバトル漫画と遜色がない。それでいて犬本来のカッコ良さと可愛さが余すことなく描かれている。異種族や人外がメインキャラであるファンタジー作品は数多くあれど、ここまで犬に特化したジャンプ系犬バトル漫画は後にも先にもこの漫画くらいだろう。

『銀牙―流れ星 銀―』簡単ストーリー解説

物語前半では、生まれたての幼犬・と、その飼い主である少年・大輔とのコンビの成長、そして凶暴な人喰い熊との死闘が繰り広げられる。前半部はどちらかと言えば人間主軸となっており、人間と犬との深い絆を描きつつ、熊と相対した時の恐怖と絶望感が前面に押し出された展開となっている。

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 1|425ページより

物語中盤になると、銀たち犬軍団と最強人喰い熊・赤カブト率いる熊軍団の戦いが中心となる。大輔の元を離れた銀とリキの部下たちは、打倒・赤カブトの仲間「男」達を求め全国を巡ることになる。そして1,000頭を超える犬たちは、赤カブトの築き上げた堅牢な牙城を攻略することとなる。
なんといっても、この「赤カブト編」には個性的で男気に溢れた犬が数多く登場しており、毎話読んで全く飽きることがない。最後の犬軍団vs熊軍団の壮絶極まる死闘には思わず息が止まってしまうほどだ。

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 4|272ページより

物語後半では、総大将となった銀たち犬族と人間社会に恨みを持つ狼族との戦いが繰り広げられる。赤カブトとの死闘後、突然現れた狼たちによって、銀自身と秘技「絶・天狼抜刀牙」の秘密を知らされる。そして、富士山麓の樹海にて、それぞれが銀と似た秘技を持った「八犬士」たちとの戦いが始まる。
中盤の熊との死闘とは打って変わり、必殺技有りのタイマンバトルが繰り広げられている。非常にジャンプ漫画らしい展開となっているものの、後の描かれる続編において、これら「八犬士編」は無かったものとされる。一体何がダメだったのか・・・(すっとぼけ)

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 5|222ページより

この様に、犬が主人公の漫画でありながら人間キャラ顔負けのバトル要素も多く、しっかりと「友情・努力・勝利」が揃ったジャンプらしい漫画となっている。

男気あふれる犬同士の熱い絆

今作最大の魅力は犬たちの「男気」にある。

どの犬も義理人(犬)情深く、仲間や使命のためなら命をも投げ出す勇敢さを持っている。
特に中盤の「赤カブト編」がとにかく男臭く、かつての恩人(犬)に恩義を感じ仲間に加わる犬もいれば、熱い男気に惚れ込み仲間に加わる犬もいる。また、突破口を開くため決死の特攻を仕掛ける犬もいれば、敢えて命を捧げることで説得を試みる犬もいる。熱血バトル漫画ではあるあるな展開だろうし、80年代当時のジャンプ漫画なら良くある絵面なのかもしれない。
しかし、この漫画のキャラクターはほとんど「犬」だ。犬同士で筋を通し合ったり、熱い友情を育んだりする場面は一見してシュールに見えなくもない。にも関わらず、人間キャラの漫画と遜色なく思えてしまう。或いは、人間キャラ以上の感動を味わえる場面もある。

今作において僕が特に男気を感じたエピソード“血の涙を流すグレート”を紹介したい。

グレート決死の説得!双眸から伝う無念の血涙!

奥羽軍第2班小隊長・グレートは、九州遠征軍の1匹として薩摩の大将・ベムの元へ赴く。
かつて人間に頭から塩酸をかけられたため頭が焼けただれているベムは、九州の犬たちの間では「その顔を見たものは生きては帰れない」と恐れられている。

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 4|144ページより

スカウトに来たグレートの説得に効く耳を持とうとせず一方的に始末しようとする。
しかし、グレートは一切抵抗しない。目的はあくまでも打倒・赤カブト。グレートは命を懸けてベムを仲間に引き入れようとする。
その命懸けの交渉を気に入ったベムは、グレートを電車の迫り来る線路の上に伏せさせ(別名・キラーロード)グレートの男気を試そうとする。それでもスカウトを諦めないグレートは、命と引き換えに仲間に加わる条件を飲み、決死の覚悟を持ってベムの課す度胸試しに挑む。

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 4|154ページより

闇夜の線路。
迫り来る電車の光。
仲間たちの制止の声に耳を振り切り、グレートは1人その時を待つ。
その心にあるのは死への恐怖ではなく、志半ばで散りゆく後悔と悔しさであった。
電車との衝突の瞬間、余りの無念さに血の涙を両の目から流すグレート。

出典:著=高橋よしひろ【超!合本シリーズ】銀牙―流れ星 銀― 4|156ページより

その血の涙を見た犬たちは誰しもが心動かされる。それは薩摩の大将・ベムも例外ではない。
飛び出したベムによって既の所でグレートは救われた。
男気に燃えたグレートの血涙によって改心したベム。彼はグレート等九州遠征軍と共に奥羽の地へ向かう・・・。

・・・

こんな暑苦しい展開がかつての少年ジャンプで繰り広げられていた。
世界広しといえどここまで熱い犬漫画は『銀牙』をおいて他にないだろう。
ほかにも“紅桜の壮絶過ぎる大往生”も最高に暑苦しいエピソードなのだが、長くなってしまうので1エピソードのみとさせて頂く。

まとめ

今回は、Kindle Unlimited限定で読み放題となっている漫画『銀牙―流れ星 銀―』の紹介をさせていただいた。

令和となった今でも色褪せることのない熱い犬たちのドラマ。それは、人と人との距離が離れつつある現代にこそ学ぶところが多いだろう。

現在Kindle Unlimitedに登録している人は勿論、登録を検討中の人たちが読んでも決して後悔しない作品となっている。
まずは『銀牙』を目当てにお試しで登録してみるのも良いだろう。その際は、とりあえず「赤カブト編」の最後までだけでも読んで頂きたい。

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